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第1049話
「あ…ッ、く…ぅ、」
情けない声を漏らしながら扱かれる手に自分の物を重ねた。
手首を掴むだけの力はない。
気持ち良くて手に力が入らないからだ。
足の指は腹筋、後孔には力が入っているのにおかしい。
「はっ、……は…ッ、…ぅんん」
「先走りすげぇ。
ほら、音、聴こえてんだろ」
「じっきょ…しな……ぃぃ」
セックスの実況なんて、どんなエロ漫画だ。
あんまり……読まないけど…。
汗さえ自分を際立たせるものへと変えてしまう恋人も、読むのだろうか。
どんな…
「ぼーっとする余裕あんのかよ」
ハッと意識を戻したが既に遅かった。
綺麗に切り揃えられた親指の爪先が鈴口を掻いた。
局部のやわらかな皮膚には痛い筈なのに、そうではない。
この頭はおかしい。
痛みを快感に変換する。
痛いのに。
そうである筈なのに。
「あ゙っ」
「余裕みてぇだし、ちょっと痛い位が好きだろ。
だったら、ほら。
喘げ」
「イ…い……あっ、ま、ま…さ……まっ」
先走りの滑りを借りて親指の腹が割れ目をなぞる。
何度も、何度も。
いやらしい動きと共に聴こえてくる淫らな音。
体温。
におい。
湿度。
すべてが全身を愛撫する。
こんなのたまらない。
頭を振り乱す度に、ベッドからふわふわと長岡のにおいがする。
「ひ…ぐ……あっ、ま……んん…ッ」
「ほんと、良い声で喘ぐよな。
俺のもガチガチになってきたの分かんだろ」
感じ過ぎて呼吸がまた、まともに出来ない。
「イ…く……イっ、くっ」
顔にまで構う余裕はなく、変な顔をしているだろう。
ヘコヘコと動く腹も、恋人の腹に触れる脚も、もう構う余裕なんてない。
本当に漏らしてしまう。
長岡のふとんを汚して……しま………う。
「イ…ッ、」
とぷっとソレが溢れれば、後は止める事なんて出来ない。
次から次へと尿道を駆け上がるアツいそれに身体を痙攣させた。
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