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第1053話
「ひ…ッ、まっ……ま…さっ…ッ!」
腰を使われながら、肩に噛み付かれた。
長岡が身体を更に折ったせいで当たる場所が僅かにずれた事も加わり眉間に皺を寄せる。
痛い。
アツい。
キツく瞑った目からじわっと涙が溢れてくる。
それでも、食い込む犬歯は離れない。
足の指を丸めて耐えるしか出来ない三条はそれでも甘さを含んだ声をあげる。
口が離れたと安心しても再度歯をたてられ、肩口から鎖骨に歯型が残った。
「俺のだ…」
ポツリ、と降ってきた声が嬉しい。
あの日の様に、独占欲に縛られるのは嫌いではない。
噛まれた箇所の皮が剥けようと、血が滲もうと。
寧ろ…。
「んん…はっ、…ぃっ…」
無意識の内に前立腺も擦られる様に腰を上げていた。
自分が気持ち良いのもそうだが、長岡に良くなって欲しい。
自分の具合なんて分からないし、きっとこれからも入れる側の気持ちなんて分かる事ないだろうが、少しでも気持ち良く射精して欲しいんだ。
射精の気持ち良さだけは理解出来るから。
同じ性というのは、たまには役立つ。
「お…、れの」
同じ言葉を返せば今度は耳朶を噛まれた。
痛いのも好きだ。
長岡から貰えるものは全部好き。
全部、俺のだ。
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