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第1055話
何度、射精されただろう。
呼吸をするだけで疼く。
後孔は麻痺し、もう締め付けが緩いかもしれない。
長岡の事を考える三条だが、そんな三条の事は長岡が考えてくれている。
「はる、抜くけど大丈夫か」
頷き大丈夫だと伝えると頬に軽くキスされた。
そして、あと少しだけトばないでくれと汗でしっとりする頭を撫でられる。
冷たい手も今ばかりは熱を孕みアツくなっている。
手…きもち……
その手に頬を更にくっ付けると、長岡はふと空気を和らげる。
この瞬間が好きだ。
セックスの合間に見られる愛おしそうな空気。
愛されてると分かるから。
抜こうとされ漸く違和感に気が付いた。
「……カリが嵌まってんな」
「ぬ、けな…」
「大丈夫だから、腹で呼吸してろ。
ゆっくり、そう…そのまま…」
呼吸に合わせて腰を動かし、角度を変えていく。
いくら長岡のカリが高いと言っても嵌まって抜けないなんて事はないだろう。
最悪萎えれば良いんだ。
頭では理解していても不安になる。
「ひ…ッ、う……う、………」
遠慮がちに動き、かと思えば大胆に動かれ声が我慢出来ない。
腹で息をしろと言われたが胸でしてしまう。
力を抜いて協力したいのに。
「……もう少し我慢してくれ」
嵌まっていたカリが動くと、ぐぽっと空気の抜ける音がした。
真空に似た状態になっていたのかは分からないが、それに似た音だった。
思わず眉間に皺を寄せた三条に長岡は声をかける。
「ゔ…」
「吐くか?」
「だい、じょぶ…です……」
違和感こそあれ吐く程ではない。
どちらかと言えば、内臓が動くようななんとも言えない違和感に力んでしまいそう。
「んん…ッ、ん……ん…」
漸く弁から抜け、抜けていくソレに2人共安堵した。
マーキングに塗れ、激しくも愛を感じるセックス。
これが、いつものセックスだ。
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