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第1056話
後処理と称して浴室へやってきた。
隣ではお湯はりが行われ、シャワーの水圧が弱い。
それでも、ナカに出して貰った精を掻き出すのには刺激が少なくて丁度良い。
「あ…あ、…」
すっかり掠れた声で喘ぐと浴室に響いて恥ずかしい。
だけど、眠くて身体が思うように動いてくれない。
「そのままな。
肩にもシャワーかけるぞ」
良いにおいのする泡に包まれ、あたたかな湯が降り注ぐ。
そういえば、今日は何日だ。
何月…だっただろう。
「跨げるか。
そうだ。
上出来だ」
お湯が湯船の半分を充たす頃、2人で湯船に浸かった。
あたたかくて気持ち良い。
「はる、眠いか?」
「ん……ん…」
すっかり冷えた身体を湯船であたためながら、その気持ち良さに目蓋が沈んでいく。
だけど、久し振りに感じるこのぬくもりがとても恋しい。
起きていたいとばかりに頭を振ると肩をぐっと抱き寄せられた。
「まだ少し冷てぇな。
あったまったらふとんにいこうな」
長岡に寄り掛かると、細身と筋肉とが合わさってちょっと硬かった。
だけど、心音が伝わってくるのがとても心地良い。
「んで、少し寝たら飯食おう。
遥登の好きなの作ってやる」
「ほうれんそうとかきたまの、うどんがいいです」
「ん。
食おうな」
大好きな人と一緒に食べる食事はとても美味しい。
あんな夢をみたから、なんか殊更そう思う。
楽しみだ。
パシャ…と肩に湯をかけてくれる優しい恋人の肩も冷たい。
体温が低いからだけでは理由は足りない。
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