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第1068話
シャワーを浴びたが、湯船に浸かった訳ではないので身体の表面だけがあたたかい。
適当にドライヤーで乾かし足早に寝室へと入った。
明日も仕事だ。
寝なくては支障になってしまう。
だが、三条と通話を繋げなくては。
約束は守らなければ。
先に伺いの連絡をいれたので、すぐに通話は繋がる。
「こんばんは。
しっかりあったまったか」
『こんばんは。
ちゃんとあったまりました。
もう寝れますか?』
「あぁ。
風呂も済ませたし、天気予報も観た。
明日も寒そうだな」
『風邪ひかないでくださいね』
「遥登もな」
毛布を引き上げ、あたたかな空気を逃がさない。
そのままふわふわに埋もれれば芯まであたたまってはいなくても大丈夫だろう。
でも、湯たんぽが恋しい。
その時、ふと寝室の本棚が目に留まった。
ネクタイやタイピング、腕時計も片付けてあるそこ。
『正宗さん?
どうかしましたか』
「ちょっと考え事。
でも、寝る」
枕に頭を預け、通話画面を少しずらした。
これなら三条の寝顔がよく見える。
「おやすみ」
『おやすみなさい』
良い夢を。
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