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第1079話

ん゙ー…っ 終わった オンライン授業が終わった後もノートを纏めていた三条は漸く終わったと伸びをした。 疑問に思った所には付箋を付けてメモ書きをしたり、参考になりそうな物をネットで見付けて書いたりしていたら、いい時間になってしまった。 机に並んだ瓶の中からそれを取り出し元気を分けて貰う。 何度見ても嬉しいな ホワイトデーに貰ったメッセージカードを眺めているだけで、とてもしあわせな気持ちになる。 見慣れた文字も、沢山言ってくれていた言葉も、慣れないプレゼントも、どれも大切なものだ。 飴玉の入っていた瓶の中に大切にしまっておいてあるそれを時々取り出しては眺めている。 スマホにも写真を撮って記録してあるのだが、実物を手にとって見るのはやっぱり違う。 こんな時、ふと思う事がある。 高校生達は正宗さんに会えて良いな… 学生達だって恐怖と戦っているのは解る。 解るが、会いたい。 高校生だったら理由なんてなくとも会えたのに。 恋人なら理由なんてなくとも会えるはずなのに。 大切な人だからこそ、会えなくなってしまった。 はぁ…と溜め息を1つ吐き出すと突っ伏した。 こんな事考えて最低だな… クリスマス…プレゼントだけ買っとこ 会えなくても良いや 元気でいてくれたら、それ以上は望めない 我が儘は駄目だ。 困らせたい訳じゃない。 こんな時にそんな事を言ってしまえば、恋人は困ってしまう。 お前達のせいだと言う誰かの声が甦る。 机に頬をくっ付けたまま傍らのスマホを手繰り寄せ、ショッピングサイトを開いた。 今年はなんにしようかな 実用性があって…あったかいやつ マフラーは渡したしなぁ 現金なもので、どんな顔で受け取ってくれるか考えていると楽しくなってきた。 こうして、会えなくなっても日常生活を支えてくれる恋人の存在は偉大だ。

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