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第1081話

やっと休日になり、ゆっくり出来る。 平日は、いくら早く帰宅出来ても身体は緊張しているというか心からダラけてはいない。 仕事での緊張が抜けていないのだろう。 だが、休日は朝から晩まで部屋着のままダラダラと本を読んだり昼寝をしたり、三条とゲームをしたり心から穏やかだと思える時間を過ごせる。 ベッドからおりる必要さえもない。 この時間がなければ平日は乗り越えられない。 最低限の家事だけを行い、後の時間は三条と過ごす。 ご機嫌な横顔を眺めまた視線を下へと下ろした。 綺麗な文字の羅列に溺れていく。 そうして暫くの間、文字の海を揺蕩っていると湯沸かしが終わった音がし、長岡は本から顔をあげた。 途端に集中力が切れてしまったのは長岡だけではない。 小さな画面の向こうも本から顔をあげた。 「そろそろ風呂はいるか。 あ、ビデオ通話してぇんだよな」 『え…、あ………はい』 「するか。 このまま脱衣所持ってく。 画面動くから酔うなよ」 脱衣場に干したままの下着がある。 タオルもある。 このまま起き抜けの格好で良い。 いや、隠すものがなくても今更三条に隠すものもない。

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