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第1087話

年号が変わり、12月に存在した祝日はなくなった。 高校生の時は担任に多く会えるのでそれでも良かったのだが、大学生になった今となれば関係ない話だ。 長岡のクラスの生徒だった頃は学校で会い、デートや外泊で会い、それこそ1週間毎日顔を会わせていた。 それが大学入学で基本的には土日祝日のみ、そしてウイルス禍になり殆んど会えなくなってしまった。 例え、恋人同士の聖なる日でも関係ない。 ウイルスも少しは休んだ方が良いと思う。 日本人だって週に1度は休むのに。 なんて、ウイルスに此方側の要望は通じない。 まだ2時間もある 3時過ぎてから、時計動くの遅いな 長岡が帰宅したらビデオ通話を繋げる約束をしたが、明日も仕事。 それでも同じ時間を過ごせるんだから贅沢だ。 余程楽しみなのか先程から何度も時計を見てしまう。 それと、視線が行く先はもう1つ。 プレゼント、喜んでくれるかな 喜んでくれると良いな 長岡へのクリスマスプレゼントが隠されたクローゼット。 早く渡したい。 どんな顔をしてくれるか、考えるだけでわくわくする。 胸がきゅぅっとする。 長岡の顔を想像していると口端が緩んできた。 離れていても、こんなに気持ちを和らげてくれる。 そちらを見てから視線を手元へと戻した。 年明けには会えるかな あたたかかったお茶はすっかり冷め、一気にぐーっと煽る。 そしておかわりに腰を上げた。

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