1087 / 1502
第1087話
年号が変わり、12月に存在した祝日はなくなった。
高校生の時は担任に多く会えるのでそれでも良かったのだが、大学生になった今となれば関係ない話だ。
長岡のクラスの生徒だった頃は学校で会い、デートや外泊で会い、それこそ1週間毎日顔を会わせていた。
それが大学入学で基本的には土日祝日のみ、そしてウイルス禍になり殆んど会えなくなってしまった。
例え、恋人同士の聖なる日でも関係ない。
ウイルスも少しは休んだ方が良いと思う。
日本人だって週に1度は休むのに。
なんて、ウイルスに此方側の要望は通じない。
まだ2時間もある
3時過ぎてから、時計動くの遅いな
長岡が帰宅したらビデオ通話を繋げる約束をしたが、明日も仕事。
それでも同じ時間を過ごせるんだから贅沢だ。
余程楽しみなのか先程から何度も時計を見てしまう。
それと、視線が行く先はもう1つ。
プレゼント、喜んでくれるかな
喜んでくれると良いな
長岡へのクリスマスプレゼントが隠されたクローゼット。
早く渡したい。
どんな顔をしてくれるか、考えるだけでわくわくする。
胸がきゅぅっとする。
長岡の顔を想像していると口端が緩んできた。
離れていても、こんなに気持ちを和らげてくれる。
そちらを見てから視線を手元へと戻した。
年明けには会えるかな
あたたかかったお茶はすっかり冷め、一気にぐーっと煽る。
そしておかわりに腰を上げた。
ともだちにシェアしよう!

