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第1104話
『ただいまです』
「おかえり。
腹一杯食ってきたか?」
『はい。
美味しかったです』
部屋へと戻って来た三条を出迎えてくれたのは穏やかに微笑む長岡。
画面の前に座りにこにこと嬉しそうな顔のを惜し気もなく見せてくれる。
すげぇ、良い顔してんな
良いもん食って来たんだろうな
「で、なに食ってきたんだ?」
『ガトーショコラです。
ワンホール食べて良いって言ってくれて』
「食後にワンホールも食ったのか。
すげぇな」
『あ、でも、ちゃんと弟と分けましたよ』
長岡も仕事帰りに寄ったスーパーでクリスマスに託つけた惣菜を買っていたが、それにしたって日本の宗教ごちゃ混ぜの年末はなんだか浮き足立ってしまう。
ワクワクするには歳を重ね過ぎたと思うが、いくつになっても楽しい事は楽しい。
「甘いもんは別腹か?」
『甘くなくても入ります…』
遥登らしい姿が愛おしい。
指輪を渡した時はボロボロ泣いていたのに、その姿はどこへいったのか今はにこにことご機嫌だ。
泣き顔も良いが、やっぱり笑った顔の方がよく似合っている。
この顔が今日も見られる事が最高のプレゼントだ。
それをつまみに飲み掛けのビールを飲む。
「じゃあ、これからは俺との時間?」
『はい』
はにかみ首肯く可愛い恋人との甘い時間。
クリスマスのお楽しみだ。
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