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第1106話
長岡は既に4本目を空けているが明日は土曜。
帰りに寄ったスーパーの袋から5本目を取り出した。
『正宗さん、今日はペース早いですね。
大丈夫ですか?』
「あぁ。
なんか気分良くてな。
明日は休みだし。
これ位じゃ酔わねぇから安心しろ」
明日は、もう今日になった。
それでもクリスマスは終わらない。
眠るまでがクリスマスだ。
もう少しだけ、恋人を一人占めしたい。
酒を飲んでふにゃ……とはしていないが、三条も愛くるしい顔で2本目を飲み終えた。
「遥登はやめるか?」
『んー…、あと1本だけ』
ポテトチップスとチョコレートをつまみに美味そうに飲む姿からは、それがアルコールとは思えない。
それにしても、顔色も口調も変わらない。
「酔ったりしねぇの」
『そこまでハイペースで飲んでませんし、強いのも飲みませんから』
「酔ってふにゃふにゃになった遥登も抱きてぇな」
『な……、え』
「抱くっつっただけだろ。
介抱の方だって抱き締めんのに、なに想像してんだよ。
えっち」
そういう意味でも抱きたいけどな。
でも、顔を真っ赤にしてそわそわする三条の姿が見られたのでこれ以上構うのはやめだ。
この顔を見ながら飲む酒は最高に美味い。
『大人って狡いです…』
「遥登も大人だろ」
『年齢だけ……』
「ははっ。
そりゃ、俺もだ」
ゲームの中で雪だるまをつくったり島中を駆け回ったり、眠気が許す限り遊び回った。
島以外にも対戦ゲームをしたり、協力プレーをしたり楽しくクリスマスを過ごす。
いつもの様に恋人らしく甘く過ごすのも良いが、こうやってワイワイ過ごすのも家族みたいでまた良い。
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