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第1120話
顔を真っ赤にして困った顔をする恋人はとても可愛い。
付き合って4年も経っているのにいまだに初だ。
付き合いはじめの頃のような初々しさがある。
『すぐからかうんですから…』
「からかってねぇよ。
心から思ってる事だって。
その顔、すげぇ好き。
たまんねぇよ」
『…っ』
喜びを隠せていないし、尻尾が揺れるし、可愛いったらありゃしない。
そんな素直な三条を大切にしたいと心から思う。
隣に並んで恥ずかしないように生きたいと思う。
そう、変えてくれたのは紛れもない三条。
『正宗さんは、自分の顔が良いのをもう少し理解してください…。
そんなの……誰だってイチコロですよ』
「遥登も、そんな顔他でしてんなよ。
悪い大人に捕まんぞ」
『ほら、それです』
くるくる変わる表情は見ていてとても楽しい。
その顔が見たくて困らせたり、恥じらわせたり、笑わせたりしたくなる。
こんな気持ちを自分が抱くなんて思わなかった。
つまらない人間だった、自分をこんなに人間らしく成長させてくれた恋人は偉大だ。
そして、最大限の感謝。
机についた肘に顎をのせ、満足気に画面を見詰める。
『俺は…ちゃんと躾られているので、正宗さん以外には捕まりませんよ…』
「良いねぇ。
煽り方も満点」
恋人の学習能力の高さも目を見張るがな。
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