1126 / 1502

第1126話

リビングに戻ってきた綾登は冷たい空気を纏いながら炬燵を囲む兄の間に身体を捩じ込んだ。 僅かな距離しか歩いていないのにスリーパーが冷たい。 「はぁう、あげう」 「良いのか? これ、良いものだぞ」 「おいち?」 「これは食べれないけど、食べ物と交換出来る。 ボーロも、お魚煎餅も、うどんも買えるぞ」 「うーんどんっ」 分からないと背中に抱き付き甘える三男。 満更でもなさそうに、にこにこする長男。 よく似た顔だと次男は横目に見ながらゲームをしている。 みんな年始の挨拶をしてお年玉を貰っていた。 「あそぼ」 「ご飯は? 食べないと沢山遊べないぞ」 「いっちょがいい」 「分かった。 じゃあ、お年玉はみっちゃんに渡してこい。 後で一緒にお金預かって貰う所行くから。 そしたら、顔洗ってうがいしてご飯食べような」 出来るか?と目を覗けば小さな指が母親を指さす。 1つ頷き、次は?との質問に、お顔と可愛い回答。 思わず頬を両手で潰してしまう。 ぷくぷくの肉が潰れても可愛らしい。 「きゃぁっ」 「いちゃ付いてねぇで朝ご飯食ってこいよ。 母さん待ってるぞ」 「あぁーい」 やっぱ、ぴょっんっぴょっんっ、と飛びながら母親の元へと行った。

ともだちにシェアしよう!