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第1127話

昼飯を食べ終えダラダラしている兄弟に感化され三男が昼寝をしはじめた。 母親と共に和室に行ってしまい、リビングはテレビから誰かの笑い声がするだけ。 「にーちゃん。 散歩行こ」 「うん。 行くか」 正月と言っても暇でゴロゴロと炬燵でゲームをするかスマホを弄るか本を読むか位しかする事もない。 祖父母の家へ顔を見せに行く事も出来ないので例年より時間の余裕がある。 昼寝をしようか、部屋に戻って長岡と昼寝をしようか考えていると弟からの誘いを受けた。 寒いが家にばかり居るのも身体に良くない。 炬燵に半身を入れたまま猫の様にぐーっと伸びてから、出掛ける準備に廊下へ出た。 散歩に行くなら綾登が寝ている今だ。 「月見だいふく買うんだ。 あと、しょっぱいお菓子。 ポテチの気分」 「あー、良いな。 コーラあったっけ? なんか映画観ようかな」 各々の部屋へと一旦別れ、防寒具を着込む。 家にいるだけならと適当な服だったが、ボトムスの下に保温効果のあるタイツを履きベルトを締め直す。 それからコートにマフラー、忘れてはいけない腕時計を嵌めながら画面を覗いた。 恋人はソファで毛布に埋もれている。 寝ているのだろうか。 「正宗さん、散歩してきます」 『ん、…気を付けてな』 ん゙…、色っぽ…… 毛布の中から眠そうな声と顔が見えた。 それが気怠げでキュンとしたのは秘密。

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