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第1129話
自動ドアを抜けた所に設置されているアルコール消毒をプシュッと手に吹き掛ける。
スリスリと手を擦り合わせながらお菓子のコーナーを歩いた。
ポテトチップスと言っても製造会社も味の種類も豊富だ。
つい目移りしてしまう。
「そういえば、兄ちゃんも煙草吸えるんだよな。
変な感じ」
「成人したの最近だしな。
でも、吸わないよ。
煙りにお金出すのはなぁ…」
弟はふーんと興味なさそうに此方を一瞥して、またお菓子へと視線を戻した。
「お菓子の方が美味いもんな」
「違いねぇな」
やっぱこれだ!と定番の会社の定番の味を手にし、それとこれ!とばかりに新製品をとった。
「あとこれな」
綾登の食べるボーロをその上にのせ、次はアイスのコーナー。
ひょこっと覗き込むも目新しいアイスはない。
期間限定はチェックしているが、生憎今日はその味の気分でもない。
「コンビニで買い物カゴ使うのなんかやなんだけど、どうしようかな」
「あー、なんか分かる。
アイスは俺が持つよ。
月見だいふくで良いんだっけ?」
定番の真っ白いものを手に取り、1つで良いのか?と確認をした。
「うん。
あと、炬燵で食べるやつ欲しい」
「あー、そうだな…。
なんにしよ。
あ、パプコ分ける?」
「良いの?
やった」
やっぱり、安定の定番商品だ。
あれもこれも迷っているうちに手が冷たくなってきた。
さっと商品を手に取ると忘れてそうになっていたコーラを更に追加して、反抗期を忘れてにこにこする弟とレジへと向かう。
ホットスナックが美味しそうに温まっている。
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