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第1142話
三男は、ごくごくと美味しそうに澄し汁を飲んでいる。
小さな口で一所懸命飲むのでふっくらした頬の肉がより強調され大福みたいだ。
余程嬉しいのか頬が赤くなっているのも子供らしくて愛らしい。
茶碗がほぼ真下を向きに、まるで最後の最後の1滴まで飲み干したいとばかりの姿を三条はしっかりと見届ける。
「ぷはっ」
「あー、お口の周りが美味しそうになっちゃったね。
ちょっと拭かせてね」
「んー…」
出汁の好きな三男にとって、今日の澄し汁は最高だろう。
可愛い姿に家族はにこにこと笑ってばかりいた。
こんな時だから、子供の変化に敏感になってしまう。
だけど、こんな時だからこそ、子供の笑顔が元気に繋がる。
綾登がいてくれて良かった。
優登がいてくれて良かった。
そして、三条も両親からそう思われている。
「兄ちゃん、これ美味い。
食った?」
「食ったよ。
美味かった」
「これから田上くん達とお祝いするんだろ。
そんな食べて大丈夫なのか」
「うん。
全然食えるよ」
「若いなぁ」
次男も大きくなり炊飯器は1升炊きのものへと変えたが、それも食べきってしまう食欲。
机いっぱいの食事もどんどん消えていく。
そりゃもう気持ち良いくらいに。
「んまっ、んまね。
これ!」
「綾登、美味しそうなほっぺだな」
「遥登達につられてよく食べるね。
一緒の時の方が、食欲すごいもん」
「へへぇ」
なんか大福が食べたくなってきた。
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