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第1144話

アルコールを嗜みながら楽しく会話は続いていく。 そんな中、美知子ちゃんが前のめりになり訊ねてきた。 『歳の差って、いくつまであり?』 『えー、私は3歳かな。 あんまり離れすぎると話合わなかったり価値観も違ったりしそう。 高校か大学で1年位は一緒の方が良いかな』 『俺は、近い方が嬉しい』 『俺はあんま考えた事ねぇな。 でも、まぁ……近いに越した事はねぇのかな。 知らんけど』 歳の差か…… 正宗さんと9歳離れてるけど、話合わないとかあんまりねぇな 気を使って貰ってんのかな 長岡に対して大人だなと思う事は多々あるが、年の差を感じる事自体は少ない気がする。 『三条くんは?』 「俺は、歳の差は特に気にしないかな。 考えた事もなかった…」 『三条くんらしい』 『天然の人誑しだからな』 「誑してねぇって…」 年が近ければ同じ世代の話が出来て楽しいだろうが、違ったら違ったらで色んな話を聞けて面白い。 長岡が学生だった時の流行りは当たり前だが今とは違って、だからこそ知れるとわくわくする。 M字バングや腰パン、日本一のミニスカート。 制服は着崩す人が多かったらしい。 今はあまり気合いを入れない、どちらかと言えば素に近いような髪型や飾らないスカート丈が多い。 清楚、と言うのとは少し違う。 それが“流行”なんだろう。 たった9年。 だけど、大きな差のある月日だ。 価値観だって違う。 だけど、それを埋めてくれる恋人の優しさに包まれている。

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