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第1151話

「ごめん……ごめんなさい……っ、」 ぼろぼろと泣きじゃくる女の子。 泣きたいのを我慢している男の子。 世間一般がどちらの肩を持つかなんて分かりきっている。 そんな顔をして優登は自身の手を見た。 ペンダコだって勉強で付いたものだ。 夜遅くまでテスト勉強をしっかりやって高得点を得ている。 兄の真似ばかりしている訳じゃない。 それなのに、すべて否定された。 おかしい、変だ。 そんな軽い言葉で。 努力を知っていてくれる友人が声を上げてくれたのがの救いだ。 大切な友達が怒ってくれた。 母も。 それだけで、充分だ。 もう良い。 一樹の大切さが分かっただけで良いから。 「きら、われたくない……」 「知らない。 関係ない。 好きとか嫌いとか、太田さんに対してそういう感情ないから」 「…っ」 酷く傷付いた顔に、母親は目の前の女の子が優登に対して好意を抱いている事を悟った。 だからと言って許す許さないは息子の気持ちの問題で、自分自身もそんな簡単に結末をつけられるものでもない。 傷付けられた息子を蔑ろにされ、許すように教諭にも諭され、どんなに心を傷付けられたか。 子供が傷付けられ平気でいられる程、人間が出来ていない。 「私からも良いでしょうか」 「はい」 「私としては、この子が許せないのなら正直もう2度と関わって欲しくありません。 この子が人様を傷付けたでしょか。 誰かの悪口を言いましでしょうか。 それを2度も否定されて、先生にまでこの子が悪い様な言い方をされるのは気持ちの良いものではありません」 母さん… 「謝罪も結構です。 この子がこれ以上ここにいる必要はありませんよね。 帰っても良いでしょうか」 味方がいてくれる。 それがとても心強い。

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