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第1160話
「そろそろ寝るか?」
『あ…、はい』
それからゲームをしはじめて2時間程経った頃、三条が欠伸をよくするようになった。
だけど、三条は渋る。
もっと話したりゲームをしたいのは長岡も思う事だ。
だが、なんだか“いつも”と違う気がする。
なにかとは言えないが、なにか違和感がある。
弟の事ではない。
この違和感は年始から見え隠れしていた。
「明日も休みだしまだしてるか」
『良いんですか…?』
「勿論。
まだ遥登と居てぇし」
ふにゃっとした顔はいつも変わらない。
痩せたとか…は今更か
会えてねぇしな……
カメラ越しのせいにするには些か納得出来ない。
「んじゃ、魚釣りしてどっちがでけぇの釣れるか競うか」
『はいっ』
「竿、新品にするから待ってろ」
画面を一瞥するといつもの顔に戻っていた。
だけど、間違いなくおかしい。
それだけは分かる。
「なぁ」
『はい?』
「勝ったら自撮り写真な」
『え…、え……』
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