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第1166話
「遥登の時は良い子なのね」
「つぅか、それ甘えてるだけだろ」
「はーぅ」
次男の言葉通り、抱き付きながら甘えている綾登を受取り保湿剤を塗っていく。
薄くてやわらかい皮膚を守る為、そして親子の触合いと称してやわらかな肌を撫で回す。
羨ましいほど張りがあってスベスベ。
そしてなにより、幼児特有の肉付きがたまらなく可愛らしい。
「ひゃひゃっ」
一通り塗り終わるまで擽ったそうに笑い、身を捩る。
ぽっこりした腹にも塗られ今度はくふくふ笑った。
何をしても楽しそうでなにより。
パジャマを着せてお気に入りのブランケットの上に座らせる。
ここまでくれば綾登も大人しい。
漸くだ。
「ドライヤーするよ。
五月蝿かったら教えてね」
此方も細くかわらかな髪。
長男、次男もやわらかいが、幼い時は尚更だ。
絡まる事がないように丁寧に梳いていく。
「うー、あー」
「熱くない?」
「んっ!」
最後にスリーパーを着せてもらい、後は眠るだけになった綾登はまた長男に抱き付いた。
本当に父親の血が濃い。
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