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第1183話
背中に唇をくっ付けた。
子供の様なあたたかい体温。
遥登の体温だ。
「……っ」
それが嬉しくて僅かにずらしたら場所へまた唇をくっ付ける。
その度に三条はアツい息を吐いていた。
「ハァ……ぁ…」
「遥登…」
10ヶ月ぶりだ。
そんなに長い間、我慢ばかり強いてしまった。
1番大切だから。
ただそれだけの理由で。
だけど、それが三条にとってどれ程ストレスになっていたか今になっては後悔もある。
元々細かった身体は更に痩せこけた気がする。
骨の浮きはこんなだったか。
それに、肩の引っ掻き傷と、腕や腿、皮膚のやわらかな箇所に蕁麻疹の落ち着いた痕が残っている。
赤みがそれを教えてくれていた。
身体は正直だ。
ストレスを表面に表し理解させる。
「遥登」
「ま、さむねさん……」
この身体で受け止めるには大き過ぎた。
分けてくれ。
少しでも良いから、その重荷を持ちたい。
大切な恋人だろ。
家族だろ。
そう思うのは当たり前だ。
遥登の人生を貰ったじゃないか。
「…っ」
肩甲骨をキツく吸いマーキングを施した。
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