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第1189話
「まずは素股な。
その気になったらケツ、ぐちゃぐちゃにしてやる」
こんな綺麗な顔からいやらしい言葉が紡がれるのは何度聴いても倒錯している。
膝立たしベッドに上半身を任せた三条は恥ずかしそうに、だけど嬉しそうな目で後ろをちらりと伺った。
流石に素肌を重ねるのは憚られるらしくコンドームを使用するらしい。
それに関しては致し方ないとしか言えず、いらないと言おうとした口をつぐんだ。
避妊具を装着する姿さえ格好良くて目が離せない。
「熱いかもしれねぇけど、もっかい被っとけ。
顔まで隠さなくて良いから。
そうだ。
そのままな」
晒されたうなじを隠すようにブランケットをかけられ、こんな状況でも自分の感染リスクを少しでも抑えようとしてくれているのが解る。
性欲を上手く発散出来ない事を気にし、ストレスを気にし、そしてそのどちらをも消化出来る様に。
「ぁ……」
にゅるっとアナルから会陰、そして玉を擦った熱いソレ。
思わず漏れた声を恥ずかしく思った三条はベッドに顔を埋め、隠した。
「えっろ…」
その声の方がえっちだ。
低いだけではなく艶っぽくて語尾が掠れて、なんともいやらしい。
「挟んで。
そう、そのまま締めてろ」
トン、トン、と腰がぶつかる。
疑似だと頭では理解していても、セックスのようで全身がアツい。
恋人の熱がこんなにも嬉しいなんて思わなかった。
これは想像よりずっとやばいかも知れない。
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