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第1193話

「おねが……」 人間の身体は正直だ。 ブランケットで顔が隠れていても、強請るように上がる尻や揺れる腰、上気する肌はどうする事も出来ない。 先走りを滲ませる陰茎だってそうだ。 三条自身の本音が無意識にしている。 「…俺に、犯されたって言えるか」 「…ん、ん……っ、」 嫌だ。 そんな嘘は吐きたくない。 ブランケットで隠れている事なんて忘れて首を振る。 だって、セックスは2人の事だ。 それを悪い事のように言うのも、長岡だけが責任をとろうとするのも嫌だ。 「じゃあ、駄目だ」 玉を擦る長岡のモノだってガチガチになっているのに、まだ自分の事を考えていてくれる。 優しい。 優しいが、今は生殺しだ。 ベッドについていた手で布越しに頭を撫でた。 こんな時まで自分を優先してくれるのか。 どうしたら、この熱はマシしなるのだろう。 1人でどうする事も出来ななったこの熱は長岡にしか治められないのに。 「あっ、…ハァ、お、か……して……っ…さい」 一際強く腰を捕まれ、引き寄せられた。 ドクンッと心臓が跳ねる程の力。 「絶対に言え…」 艶を帯びた声は掠れ、色が濃い。 「犬なら出来るよな」 ギラ付く声に本能が疼いた。

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