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第1195話
「……っ」
痛い。
ケツがとてつもなく痛い。
内臓が、痛い。
何か硬いものが身体を貫いているようで動けない。
息をするのもやっとだ。
はじめて犯されたあの日の教室のにおいがする。
「きっ、つ…」
長岡も苦しげに息を吐いた。
だけど、力が抜けない。
抜き方が思い出せない。
まるでそこだけ記憶が抜け落ちたように。
腹の中にあるソレがとてつもなく大きくて硬く思えた。
息が出来ない。
本当に動けない。
いつもの余裕がなく、シーツをキツく握り締めるばかり。
「は……」
なんとか吐き出した息も浅く苦痛の色を滲ませていた。
それでも腰を上げないのは恋人に触れられて嬉しいから。
痛みを超越する喜びがある。
「痛いか。
痛いよな」
抜こうと腰を捕まれたがそれを拒否した。
動かれると痛い。
なら、抜かれても痛い筈だ。
身体は自分の意志とは真逆に痛みばかりを拾い上げていく。
滲む涙が零れない様にきつく瞑った。
「悪い…。
焦り過ぎたな」
だけど、セックスが出来て嬉しい。
頭を僅かに振って、それを伝えた。
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