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第1197話
浮き出た背骨に逸って尾てい骨へと下りてきた指先に、甘い息を洩らしてしまう。
触れらるだけで、こんなに気持ち良い。
「…ひ、ぅ」
「慣れてきた?」
笑みを隠す事なくそう言われ布の中で頷くと、良かったとぽつりと吐かれる。
長岡は十分な時間をかけて愛撫してくれた。
そのお陰でアナルは馴染み痛みは和らいでいる。
根気のいる事を平気な顔でやってのける恋人のお陰だ。
長岡だって締め付けられ動きたいのを我慢し、自分の身体を優先してくれた。
その事に対しありがとうと言えば当然だろと返ってくるだろう。
長岡はそういう人だ。
とても優しくて、いつも自分を優先してくれる。
このセックスだって元々はストレス発散だ。
優しくて、すごく大切にしてくれて、だから長岡にも気持ち良くなって欲しい。
せめて、それくらいは返したい。
「は…、…ハァ……ん、んっ……」
もどかしい程の距離で肌を撫でる指は優しいのにとても意地が悪い。
頭と身体が恋人とのセックスを思い出していく。
もぞ…と腰が動き、自らの揺らめかしているとは気付かぬ程。
淫らな色やにおいが鮮やかになっていく。
「は…っ、きもち……」
臀部から腿へと滑る手に、口から言葉が出ていった。
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