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第1198話
「動くぞ」
男くさい声に頷いた。
長岡にも気持ち良くなって欲しい。
2人で気持ち良くなりたい。
「あ…あ、……」
トン、トン、とゆっくりのピストンは次第に早さを増していく。
いつもならゴリゴリと前立腺を押し潰すのに、体位が異なるせいかソコではないのがもどかしい。
イイトコロに当たるよう腰を動かしてしまう。
その都度ローションと空気の混ざる音が部屋に響き鼓膜まで犯してくる。
「あっ、あ…あ、…」
「は……きもち」
腰を掴む大きな手。
息遣い。
ストロークの深さ。
1つひとつに感じている。
すべてが気持ち良い。
「ぐ…っ、あ……ハァ…、ぁ」
本当は顔を見ながらが良い。
誰かも分からないバックより、長岡だと分かる方が良い。
だけど、こんな時に正常位はと避けてくれたのも分かる。
そんな我が儘が口から出てしまわないように、キツくシーツを握り締めた。
その手に大きなそれが重なった。
そして、縫い付けられる。
いや、押さえ付けているというよりも手を付いた場所に自分のそれがあっただけなのかもしれない。
それでも良い。
手のあたたかさが嬉しい。
素肌で触れ合えて嬉しい。
「ま、さ……、」
「犯してるてぇ…」
「まっ、……う、ぐ…ッ…、はっ、ハァ…」
「やべ、はまりそ」
背後から不穏な声が聴こえてくるが、行為には愛を感じられる。
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