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第1207話

荒く息を吐きながら後ろを見やる三条の目が潤んでいる。 やけに物欲しそうだ。 だが、貼り付いた髪を剥がしてやるとシーツに顔を埋められてしまった。 「どうした。 ケツ痛たかったか?」 「…………ぶ、かけて……って、」 三条は耳や肩を真っ赤にしてぽつりと溢した。 目をパチクリさせたのは長岡だ。 ……くっそ、可愛い ニヤける顔を抑える事が出来ない。 なんて可愛い事で膨れてるんだろうな。 まさか“ぶっかけて”欲しくて物欲しそうにしていたなんて思わなかった。 いつも大人しい恋人の本来の子供らしさが垣間見える瞬間が長岡は好きだ。 学校では同級生より大人びてさえみえるのに、こうして年相応の姿を見せてくれるのが、まるで自分の前では飾らずにいてくれているようでたまらない。 賢者タイムなんて吹き飛ばして2回目を楽しむ事にする。 というか、勃った。 「じゃあ、遥登もぶっかけてくれよ」 形の良い頭を撫でてから薄い身体をひっくり返した。 「…っ!」 「口でしてやろうか。 それとも、手?」 「じ…じぶんで……」 「残念。 じゃ、それは次な」 にっこりと頬笑む恋人に三条の目がとろんとする。

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