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第1215話
「また週末行くからデートしような」
「はい。
ありがとうございます」
「俺が会いてぇんだ。
あー、どこ行くかな」
ふにゃっと緩めた顔の穏やかさに安堵する。
それに、まだ感染者数が落ち着いた訳ではないのだからと行くのを止められずに済んだ。
いつもなら─すっかり非日常がいつもになってしまった─感染率が高いからと言うのにだ。
「天気予報、雪だな。
車の中でイチャイチャなんてどうだ」
「嬉しいです」
「じゃあ、そうしような」
顎の下を擽りふにゃふにゃさせながら、その顔を堪能する。
やっぱり笑った顔の似合う子だ。
みんな笑った方が良いが、この子が笑うと自分まで嬉しくてなる。
そうなるのは、遥登だけ。
特別だと解る。
「あ、服の交換もしてくれるか。
最近遥登のにおい薄くてなって、俺のにおいすんだよな」
「はい。
正宗さんのも交換してくれますか…?」
「当たり前だろ。
ワイシャツでも貸すぞ」
「ワイシャツ…」
興味深そうな目がキラキラと輝いた。
やべ
にやけそう
人の事、言えねぇけど好きだな
「本当にワイシャツでも良いんですか…?」
「金曜着たやつ持ってくか?」
こくこくと頷いたのでまた笑ってしまった。
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