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第1219話

「ただいま…うわ、なにこれ」 「なに? あーぁ」 「2人共おかえり」 帰宅した長男次男も溢れる白に驚いている。 踏まないように隅を歩きながら手洗いをしに行く。 兄達もやらかした事なので責められた話ではないが、綾登は満足そうに寝転んだ。 「たのちかった」 「楽しいよな」 「わんぱくってこういう事か。 すげぇな」 今度は足元のティッシュを広いながら炬燵に近寄ると、そこは更に積もっていた。 これには母親も苦笑しかない。 「たのしもん」 「でも、綾登ばっかり楽しい事したら狡いだろ。 優登もしたいと思うよ」 綾登はちらりと優登を見て、三条へと視線を戻した。 強火担同士も同担拒否はせず仲は良い。 そっか、とばかりに唇を尖らせる。 「だから、ティッシュを引き抜くのは使う時だけな」 「あーい」 少し渋い声だが、素直に返事が出来たのでお利口だ。 小さくて丸い頭をくしゃくしゃと撫でた。 「あ、そうだ。 どっちが多くティッシュ拾えるか競争しようか」 「やう!」 「じゃあ、俺と優登と綾登で1番多く拾えた人にはボーロをプレゼント」 「ぼーろ!ちゅき!」 母親の声ではじめられる競争に、三男はまたにっこにことご機嫌になる。

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