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第1233話
運動を兼ねて自販機で飲み物を買いに廊下へ出ると、換気している窓から冷たい風が入り込む。
雪の入り込まない窓を選んでいるつもりだが、風の具合によっては入ってしまう。
廊下には水分を取る為の雑巾や段ボールが置かれるのを見掛ける。
なに飲むかな
コーヒー牛乳か牛乳……
三条と会ってから甘いコーヒーが恋しくなる。
甘くて牛乳の入ったあの味。
自宅でない今、その味を再現するなら牛乳を買い、準備室のコーヒーに入れるのが1番だ。
小さな冷蔵庫もあるし、保管も困らない。
考えるだけでどんどん恋しくなっていく。
昼休みもそろそろ半分になろうとした時間。
自販機前はガランとしている。
混雑するのは昼休みがはじまったばかりの時間で楽な時間だ。
この時間なら職員でも好きな飲み物を生徒の目を気にする事なく買える。
やっぱり牛乳だな
パック飲料の自動販売機のボタンを押すとすぐにそれは吐き出された。
小さな、手の平に収まるサイズのそれ。
それを手に準備室へと戻る足取りは軽い。
三条のお陰だ。
会ってから身体が軽い。
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