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第1237話

通話で他愛もない話をしていると長岡は大きな欠伸をした。 正確には噛み殺したのだが、三条は見逃さない 「眠いですか?」 『いや、欠伸が出ただけだ。 そもそも夜型だしな。 夜の方が元気だ。 遥登も知ってんだろ』 流れる視線にドキッとした。 別に深い意味はないだろう。 変な風に受け取ってしまった自分が恥ずかしい。 「あ、……そう、かも…です。 でも、眠かったら言ってくださいね。 俺も寝ますから」 ふと口から出た言葉に長岡の目尻が綻んだ。 一体どうしたのだろう。 『“ストレス発散”効果抜群みてぇだな。 良かったよ』 「あ……」 言われてみれば、あの日長岡と久し振りに会いセックスをしてから眠れている。 蕁麻疹も良くなってきている。 感染者数も上がりきり、少しずつ下がりはじめた。 「その節は、ありがとうございました…」 『セックスしてくれてありがとうって、やぁらしい言い方してみてくれねぇか? 気持ち良かったですって』 「……その」 『うん』 「…………そ、の…ですね」 いざ口にしようとしたら、とてつもない恥ずかしさが襲ってきた。 セックスをしてくれてありがとう? なにをとんでもない事を言ったんだろう。 「せ……せ…………くす、を」 真っ赤になって言葉に詰まっているとクスクスと笑われてしまった。 『そういうとこ、すげぇ好き』

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