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第1240話

長岡の愛車に到着すると、直ぐ様暖房をつけてくれた。 次第にあたたかくなり赤みも引いていく。 長岡はこうして恋人を甘やかし、三条もまた甘やかされる。 「遥登、腕見せてくれるか」 蕁麻疹の痕の残る腕。 長岡はその原因であるストレスを気にしている。 身体に表れるものは嘘を吐けない。 コートごと袖を巻くると表れるそこはお世辞にも綺麗なものではない。 膨らみがなくとも赤みは残ったままだ。 触れて気持ちの良いものではないのに長岡は平気に触れてくる。 「良くなってきたな。 溜まる前に発散しような」 「はい…。 その節はお世話を……あ、の」 「ん?」 なんだか腕をなぞる指の動きがいやらしいような、気が……しなくもないのたが。 あれ……そういう、雰囲気じゃ…、ない、気がする スルスルと手のひらまで降りていった指が棒切れみたいな指を握った。 そして、指先を擦るように擦ってくる。 如何わしい事を想像させるように。 「赤くなってんだろ。 なに想像してるか、教えてくれるか」 「なに、も……」 「ほんとに?」 暗がりなのに、弧を描く唇がやけにはっきり視界に浮かぶ。 これは…… 「はーると」 なんて楽しそうな顔をするのか。 すごく好きだ。 めちゃくちゃ好きだ。 もっとその顔が見たいのに加え、きっちりと躾られた身体は自分の意志とは関係なく口を開く。 「少しだけ……その………えっちぃなって」

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