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第1241話
「よく出来ました。
素直に言えて良い子ですね」
わざとからかっていると分かる言葉使いをしてから、片耳を外したマスクをかけ直した。
「……正宗さんは、ちゃんと…してますか」
「俺?
たまにな。
お陰様でおかずもいっぱいあるし」
だが、手は離される事なく握られたまま。
いつもなら冷たいと思う長岡の手だが、今はそれが心地良い。
顔がアツくなったと思ったら、一気に全身がアツくなったからだ。
「え…?あ、」
握ったままの手が下げられ、股間の上をつーっと撫でた。
あまりに自然にするので抵抗も出来ない。
「…っ」
それだけにとどまらず、グイグイと押してきた。
しかも、長岡は自身の指の背を使うので三条の手の甲が当たってしまう。
それがすごく恥ずかしい。
血液が集まっていくのも甲に伝わってきて、どんどんアツくなっていく。
きっと顔も耳も、首まで真っ赤だろう。
「ほんと良い感度してるよな。
ほら、あんま動くと外から変に思われんぞ」
「……だって、」
そんな事を言うが、長岡が止めてくれる訳ではない。
指と指の間で揉むように刺激されて、三条はとうとう背中を跳ねさせてしまった。
この時間に暗がりで車が揺れていたら如何わしい事をしていると想像させてしまう。
いや、実際しているのだが。
それでも興味をもって近付かれでもしたら大変だ。
身体を跳ねさせないように力を入れる。
「だってどうした」
「正宗さんに…っ」
長岡に触れられると感じてしまう。
辿々しくも口にし見詰めれば、長岡の色気が溢れてきた。
「帰ったら見せあって抜くか」
甘い誘いに生唾を飲み込んだ。
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