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第1243話

頭の中がとろんとする。 なんでだろう。 とろんとするのに、それは頭の回転の潤滑が良くなる訳ではなくて。 ぼんやりと霞がかかったような不思議な感覚。 『ネジがあんだろ。 少し緩めて、そう。 指挟んでも痛くねぇか? なら、乳首挟んでみ』 ドキドキと心臓が早鐘を打つ。 こんな物を乳首に付けるなんてと頭のどこで思うのに、付けたらどんな風に締め付けるんだろうと期待が沸き上がってくる。 服を捲り、小さな器官を晒した。 今からココにクリップを付ける。 ちらっと画面の長岡へと視線をやると笑みが一層深くなった。 その笑みは蠱惑的で、本当によく似合う。 ……痛い、かな… 奥歯噛んどいた方が良いかな 大きく口を開けさせ近付けていくだけで緊張する。 ゆっくりと息を吐き意を決した。 「…ぅっ」 乳首を抓み、なるべく根元に噛ませた。 ネジを緩めたお陰か思っていたよりは可愛い痛みだが、締め付けられる感覚はきちんとある。 長時間は出来そうもない。 しっかりと食い付くソレは自分の目からもとても倒錯していた。 いや、倒錯しているのは自分の方だ。 ゆっくりと手を離し乳首を挟む力だけに任せると、ぴょこっとクリップが付いているのがなんだか間抜けだった。 『それと一緒にこれも買ったんだよ。 遥登好きそうなやつ。 これは、そっちに慣れたらな』 シャラ…とカメラに掲げられたのは、どう見なくてもいやらしい事に使うものだ。 『ニップルクリップ。 しっかり指挟むし、ほらテコの原理でこんなに引っ張っても食い付いて離さねぇよ』 長岡は自らの指を挟み引っ張ってみせた。 チェーンがピンっと張っても指を締めたままのソレはズレる事すらない。 「ぁ…」 想像してしまう。 ソレを乳首に付けられチェーンを引っ張られるのを。 痛いのに堪えながらセックスする気持ち良さを。 とろとろと蕩ける目に長岡は口角を上げた。 それはいやらしく、淫らに。 『想像したか?』 した。 長岡にチェーンを引っ張られるのを。 痛いと言っても外して貰えず足を舐めるのを。

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