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第1254話

『強請って欲しいなぁ』 快感に目尻を歪ませ微かに上擦る声に長岡も興奮しているんだと分かるが、まだすぐには与えてはくれないらしい。 恋人らしいそれに生唾を飲み込む。 まるでセックスしている時のようだ。 腰を打ち付けながら上でニヤニヤと口元を緩める恋人のあの顔。 ギチギチに拡がるソコを抉られる快感を思い出す。 そして、長岡が求める言葉を口にした。 「……ケツがジンジンして、ちんこも…痛いです…。 …あ…の、正宗さんと、一緒にきもちくなりたいです。 お願いします……」 家族には聞かせられない言葉をマイクに向かって静かに紡ぐ。 アナルがヒク付くのを自分じゃどうにか出来ない。 触れて良いと言われていない陰茎もだ。 でも、どちらを使っても長岡と一緒に気持ち良くなりたいんだ。 喉の筋肉がヒクッと動いた。 物欲しそうな目でまっすぐに長岡を見、言葉を待つ。 『この前やったやつの中にバイブ入ってっから持ってきな。 アナルもきもちくなりてぇだろ』 やっと返ってきた答えはとても甘やかすものだった。 膝を抱えたままコクコクと頷くと長岡は扱いていた手を止め待ってると言ってくれた。 その言葉に甘え、リュックの中から大人の玩具を漁り細いバイブを手にする。 それからローションもだ。 嬉々として用意をしている自分を恥じる気持ちもあるが、それより今は長岡との見せっこ。 ドキドキと胸が騒ぎ、一抹の不安を消し去るようにドアを見た。 施錠はされている。 窓もカーテンをしているので外からは見られない。 自分の恥体を見るのは恋人だけ。 ただ、アナルを刺激し声を殺せる自信がないのでタオルも持っていかなければ。

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