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第1280話

口の中からくちゅくちゃと恥ずかしい音がする。 だけど、口は閉じられない。 飲みきれない唾液が顎のマスクに滲みていく。 それでも、長岡の綺麗な指を噛んでしまうのは絶対に避けたい。 授業の際に、こんないかがわしい事が理由で付けた痕を見せるなんて教育に良くない。 それに、見せるのは惜しい。 「う……ッ」 「えっろい顔。 たまんねぇな」 えろい顔なのもたまらないのも長岡の方だ。 すごくえっちい顔をしている。 その顔だけでアナルが疼く。 長岡のが欲しい。 「でも、あんま時間もねぇし。 そろそろケツに入れるか」 口から抜かれた指は唾液でヌラヌラと光っていて、たまらず視線を逸らしてしまった。 ゴムの生々しい味が僅かに残る唾液を飲み込み、垂れたそれをアウターの裾で拭う。 マスクは替えがあるから出る前にそちらに交換…… 「あ…っ」 残りのローションを絞りきって濡れた指が簡単に入り込んできた。 「んっ……ん、」 ローションの滑りを借りているお陰で痛くはないが立っているせいで異物感が大きい。 「いきなり……は、」 「いきなりじゃねぇだろ。 軽くほぐしてきたくせに」 「んん……は、…ハァ……」 更にグッと深く埋められ言葉を飲み込む。 与えられた指はとても気持ち良い。 長岡の体温が体内にあるのも嬉しい。 こんな場所なのに、色に溺れそうだ。

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