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第1285話

マフラーが首輪を、コートがリードを隠す。 服を綺麗に整え、性のにおいのするものはすべて着衣で隠した。 そうすれば、一見、品行方正な三条にしか見えない。 淫らな事をしているのを知っているのは自分達だけ。 試しにポケットに隠す玩具のスイッチを入れれば目の前の髪が揺れた。 「ん……」 声が漏れないようにマスクの上から口を抑える姿もいじらしい。 本来なら、いじらしい姿には助けたいや守りたいという気持ちがセットなのだろうが、長岡の場合は“もっとその顔が見たい”というとんでもない気持ちが合わさっている。 ほんと、クソみてぇな性格だな 「あーあー、気持ち良さそうな顔して。 悪い大人が食っちまうぞ」 「正宗さ…」 「俺以外に見せんな」 キスは駄目だと分かっているが顔を近付けてしまう。 キスしてぇな 口ん中掻き回して、舌吸って、それから噛んで 自身の体温と子供体温が混ざるのがたまらなくしあわせだ。 呼吸の仕方が分からず苦しそうにするのもたまらなく好きだ。 愛おしい。 この世のなによりも愛してる。 駄目だと分かっている事こそしたくなるのが人間だろ。 「正宗さんだけですから…。 予約、されてます…から……。 …正宗さん以外、やだ……」 「ほんと、末恐ろしい」 風が通るといっても、密接した状態だ。 抱き締めるくらい許してくれ。 手は軽く腕に触れるだけで頬を真っ赤な耳にくっ付けた。 今はこれが、限界だ。 公衆トイレのキツい芳香剤のにおいに混じる清潔なにおいが濃くなった。

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