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第1287話

長岡の手から伸びるリードに被虐心が喜んでいた。 犬みたいに飼い主と散歩をしている。 真夜中で2人きり。 静かで世界には2人しかいないみたいで。 そうなったらなったらで大変な事はいくつもあるが、それでも“もし”を考えるくらいなら許して欲しい。 長岡は時々スマホで時間を確認する。 乳首の血液を遮っているのと、帰宅の時間だろう。 視線を落とす瞬間、すげぇ格好良いんだよな テストの試験監督の時も腕時計見るの好きだったな… 視線の動かし方や、目の伏せ具合がなんともいえず色っぽい。 無意識に漏れる色気といえば近からず遠からず。 それに、こんな時でも、そうやって自分を気にかけてくれているのが嬉しい。 「余裕そうだな」 「え、そんな事っ、」 「物足りねぇなら、ほら振動変えてやるよ」 微弱で単調だった振動が、動きのあるものへと変化した。 「ま、まさ、むねさんの事、考えて……た、…ん、ん……です」 「本当かよ」 「ほんと…っ」 スマホの着信時のようにバイブ音が聴こえる。 しかも、それは自分の体内からする音だ。 こんなただっぴろい雪景色の真ん中でケツにローターを突込み歩いている。 改めて変態行為をしている事を思い出す。 折れそうになる脚に力を入れて踏ん張ると腹に力が入ってしまいローターが位置を変えた。 「正宗さ……時計み、るの…すきって思って……は、…」

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