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第1290話
そのままトイレへと行くとばかり思っていた三条は車内へと連れ込まれた。
驚く三条をよそに、一緒に後部座席へと乗り込んできた長岡の手が伸びてくる。
「冷えるけど、少しだけ付き合ってくれ」
駐車場の外灯の灯りだけが真っ暗な車内を照らす。
マフラーをより上げられ、顔の半分が埋まった。
それから長岡は抱き締めてくれる。
ニップルクリップが外れてしまわないように、そして感染リスクを気にしてるとばかりにやわらかく。
それでも、長岡のにおいに包まれ嬉しい。
体温が伝わってくる距離にいてくれる恋人が愛おしい。
「俺のって書いてあんのすっげぇそそる。
自慢してぇ」
「正宗さ、だけ……」
いまだ体内で振動するローターに声が震えてしまうが、きちんと伝えた。
その言葉に長岡の目はより雄を滲ませる。
「見るのも、見せっ、……見、せるのも…、正宗さ…、だけ…」
羞恥を感じながらも蕩けた顔をした三条にご満悦の表情を見せる。
こんな露出プレイははじめてだ。
寒いのに腹を晒し、書かれた独占欲を見せ付ける。
そんな事をして2人とも興奮していた。
サディストとマゾヒスト。
お互いの性癖で、お互いを補強しあえる関係性。
恋人としても性癖としても身体の相性までもがぴったりだ。
「俺だけだ。
俺のだもんな」
肌着の上からニップルクリップへと触れられ、そっと外された。
素肌の上を転がりカチャリと小さな金属音をたてるそれは首輪に引っ掛かるだけになる。
だが、これは外されてからのも楽しめる玩具。
塞き止められていた血流が戻り、敏感になったソコを長岡の節だった指がグリグリと押し潰すように撫でる。
「ぁ……、これ…っ」
「敏感になったココ触られんのやべぇ?」
その通りだ。
痛気持ち良いというか、痛いのにやめて欲しくない。
ほどよく痺れた足を揉んだ時のように痛いのが癖になる。
ピリッとした痛みを感じるのに、それが気持ち良いなんてはじめて知った。
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