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第1291話

身動ぐと車体が揺れる。 昼間なら気にならないそれが、深夜というだけで全く逆の印象に変わる。 「あんまり車が揺れてると、ナニしてるかバレんぞ」 「…っ」 「今日も募集はかかってなかったけど、別に公園だしいつ人が来てもおかしくねぇよな。 ほら、あそこの自販機とか」 駐車場からだと自動販売機の灯りがぼんやりとしか見えない。 けれど、そこに注目するよう長岡は指差した。 「小学生達、あの市民プールの帰りにあそこで飲みもん買ってんだろうな。 親と散歩来てる子供とか。 そんなところで、こーんなえっちな顔して。 昼に来ても思い出して勃つんじゃねぇの」 昼間は公園として子供達の声が溢れている。 隣接するゲートボール場や市民プール。 そこを利用する人達だってみんな楽しそうに時間を使っている。 そんな場所でこんな淫らな遊びをしている事実に陰茎が痛む。 もうガチガチだ。 「でも、俺がいないところでは遊ぶなよ。 飼い主の言う事、きけるよな」 「わん…」 思わず口を衝いた言葉に長岡は喉の奥で笑った。 「ほんと、最高だな」 マフラーの中に入り込んできた冷たい手が首輪からリードを外す。 腕から抜かれた紐は暗がりではただの紐で。 「あ…」 「待ての練習」 それで両の手首を拘束された。 ドキン、ドキン、と胸が早鐘を打つ。 ナニを、されるんだろう。

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