1291 / 1502
第1291話
身動ぐと車体が揺れる。
昼間なら気にならないそれが、深夜というだけで全く逆の印象に変わる。
「あんまり車が揺れてると、ナニしてるかバレんぞ」
「…っ」
「今日も募集はかかってなかったけど、別に公園だしいつ人が来てもおかしくねぇよな。
ほら、あそこの自販機とか」
駐車場からだと自動販売機の灯りがぼんやりとしか見えない。
けれど、そこに注目するよう長岡は指差した。
「小学生達、あの市民プールの帰りにあそこで飲みもん買ってんだろうな。
親と散歩来てる子供とか。
そんなところで、こーんなえっちな顔して。
昼に来ても思い出して勃つんじゃねぇの」
昼間は公園として子供達の声が溢れている。
隣接するゲートボール場や市民プール。
そこを利用する人達だってみんな楽しそうに時間を使っている。
そんな場所でこんな淫らな遊びをしている事実に陰茎が痛む。
もうガチガチだ。
「でも、俺がいないところでは遊ぶなよ。
飼い主の言う事、きけるよな」
「わん…」
思わず口を衝いた言葉に長岡は喉の奥で笑った。
「ほんと、最高だな」
マフラーの中に入り込んできた冷たい手が首輪からリードを外す。
腕から抜かれた紐は暗がりではただの紐で。
「あ…」
「待ての練習」
それで両の手首を拘束された。
ドキン、ドキン、と胸が早鐘を打つ。
ナニを、されるんだろう。
ともだちにシェアしよう!