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第1293話
服を捲られ、薄い肌着の上から腹にキスをされた。
文字の上や臍、肋と上がってくる頭に期待が隠せない。
思わずゴクンッと喉が鳴った。
長岡はそれになにかを言うこともせず、だけど空気を嬉しそうなものに変えながら続けていった。
「…あ……」
キスの度に漏れる声はマスクのお陰でくぐもっている。
むかつく筈のそれがこんなカタチで役立つなんてな。
心臓の上にもキスをされ胸が高鳴った。
「ぃ…っ」
血流の戻った乳首を噛まれ、いつも以上の快感に驚く。
布1枚があるはずなのに無い時よりも具に拾い上げる。
いつもより、やばい…
なんで……こんなに感じるんだ
まさか、こんな環境でこんなに感じるなんて思わなかった。
時々露出の気があるとは言われてきたが本当だったのかもしれない。
長岡の色気に当てられた。
性的な触れ合いが出来て嬉しい。
きっとそうだ。
「噛まれるの好きだもんな」
「正宗さんが噛むかっ、ら…で……っ、」
「いつもより感じてんのにか。
ほら、こんなじゃねぇか」
長岡を見ても手を離してくれるつもりはない。
暗がりに長岡の舌が妖艶に見える。
それから目が離せない。
縛られ縫い付けられた手をきゅっと握りながら呼吸を早くする。
舐め、られる……
「ん……ッ、ん…、」
直接そうされたいと思ってしまう。
長岡の部屋のベットで性を貪りたい。
あさましい考えは触れられる度に消えていく。
今は、長岡との今しか考えたくない。
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