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第1306話
狭い個室には、お互いの息遣いのみが響いていた。
「ハァ……ハァ…ッ、…ハ…ハァ…」
公衆トイレの綺麗とは言いがたい空気さえ美味しいと思うほど酸素を欲している。
後ろの長岡も、三条のマフラーに額を埋め賢者タイムの真っ最中。
「ハァ……ハァ…、っ!」
腹に回ったままの手がぎゅっと自信の方へと引き寄せた。
ほぼ無意識の行動に、荒い呼吸を続けている喉がヒクリと震える。
不意打ちを食らった三条は、先程までの行為の後とは思えないほど初々しい反応をした。
「ふー…」
「だい、じょぶ…ですか」
「あぁ。
馬鹿みてぇに興奮した。
手ぇ、外すな。
悪い、ちょっと我慢してくれ」
股間の間に脚を入れられ、その脚が力の入らない身体を下から支えてくれる。
だが、同時に敏感な局部を擦られ甘い声を漏らしてしまった。
「少しだけ踏ん張ってくれ」
戸当たりに括り付けられていたリードを外され、完全に長岡に抱き締められた。
「やりすぎたな…。
大丈夫か」
「ん……は、い」
吊られていた手は痺れて動きが鈍い。
ほんの十数分程度だと思ったのだが、心臓より上にあったのだからこうなるのはある程度理解していた。
とはいえ、脚にまでこんなに力が入らないとは思わなかったので転ばないように抱き締めていてくれる長岡には感謝だ。
「俺の抜くぞ」
「はい、……ん、ん…」
萎えても充分大きなソレが、ずる…と抜け出るた。
その大きさに慣れたアナルはぽっかりと口を開けたまま寂しそうにしている。
しかも、避妊具を使用したので精液も貰えていない。
まだどこか満たされていない感覚が残る。
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