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第1311話

「ご、ちそう、さまでした……」 思わず口を衝いた言葉に三条自身驚いた。 今日までの長岡の教えの賜物だ。 口淫のあとはごちそうさまでした、と言う。 それを自然とやってのけた。 長岡は、マスクの中で満足そうに両端を吊り上げる。 「美味かった?」 「はい…」 久し振りの恋人の精液は我慢の味がした。 自分ばかり燻っていたのかと思えば、恋人も我慢してくれていた。 長岡はそういう事がさらっと出来る人だ。 顎に引っ掛かったマスク。 時間を気にする長岡。 全部、今までのように戻って欲しいけれど、受け入れなくてはいけない現実。 目の前の恋人は、妄想で済ましてしまうには些かえっち過ぎる。 それに、こんなえっちぃ事が想像だなんて勿体ない。 そっと長岡の局部へと手を伸ばし擦った。 舐めたい。 もっと飲みたい。 アナルに出して、マーキングして貰えないならせめて口にぶっかけて欲しい。 「はーる」 「舐めたいです……」 「それは駄目だって。 勃つから擦んな」 誘うように擦ると鎌首がピクリを動いた。 コレを直接舐めたい。 もっと長岡に気持ち良くなって欲しい。 下着ごしに玉も揉めば背後で息を飲む音がした。 「それより、遥登も出してイきてぇだろ。 擦ってやるから、気持ちくイけよ」 「え、俺には大き…、まっ、」 あっという間にコンドームを装着されると、大きな手が握ってきた。 半分萎えていたソレはすぐに芯を持ち大きくなっていく。 今さっきで、これだ。 若い身体が急激に恥ずかしくなる。 「あっ、……あ…ずる……ッ、」 お返しとばかりの攻撃に腰が揺れてしまう。 上下する大きな手、ケツに当たるあたたかいソレ。 「ドMのくせに。 あぁ、こうされたかったから悪戯してきたのか。 なら、手加減しねぇ」 自分でするのとは異なる早さ、刺激に靴の中で脚の指をぎゅーっと丸めた。 こんな呆気なくイかされてしまうのは男の矜持が…… 「イ…、イく………イ、く……あっ、……イ゛…ッ」 後頭部を長岡の肩にグリグリと擦り付けながらドクドクとゴムの中に吐き出した。

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