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第1315話

靴を玄関に戻し、入浴する為脱衣場へと早足で入る。 湿気った靴下が冷たい廊下の温度を更に下げるようだ。 悴む足の指は、先程までの行為でアツかった身体など覚えていないのだろうか。 脱いだそれを洗濯機に放り投げながら下着を放り投げる手を止めた。 ……予洗いしよ 一応は拭いて貰ったと言っても気持ち的に一緒に洗濯をするのは嫌だ。 弟達の洗濯と一緒になんてもっての他。 指に嵌めていた指輪を外し、落としてしまわないように一旦棚へと置いた。 部屋に戻ったら首からかけておくので忘れないようにしなければ。 そのまま、下半身を丸出しでザブザブと水で濯ぐ。 玉がひんやりとし縮こまりそうだが、優先すべきは洗濯だ。 乾いたらカピカピしてしまう。 視線を下に向けている三条の視界には、真っ白い肌に黒い落書きが目立っていた。 “俺の” 長岡の独占欲だ。 服を捲れば“俺専用”、“予約済み”。 長岡との行為、特にプレイは刺激的だ。 勿論、ただ甘やかされるだけの行為も好き。 とろとろのデロデロに溶け合うセックスは何事にも変えられないしあわせがある。 『遥登』 耳に残る掠れた男の声に、また頬を染める。 早くまた会いたいな 漸く週末に会えるようになったといっても僅かな時間。 今までのように泊りはおろか、1日部屋にお邪魔する事も難しい。 我が儘は良くないと分かってはいるが、会いたい気持ちは溢れる一方。 大好きな人を1人占めしたい。 散々欲を解放したにも関わらず、貪欲な自分に溜め息を1つ吐いた。 でも、もうすぐバレンタインだ 今年もチョコ渡したいし、会いたいって言ってみよ 粗方洗い終わった下着をぎゅーっと絞り、洗濯機へと放り込む。 上も……と脱ごうとした手をスマホに伸ばし、身体の落書きを何枚か写真に収めた。 正宗さんの字、嬉しいし… 独占欲も嬉しい…し…… 消す前に写真に収めるくらい良いよな そうして、今度こそ服を脱ぎ捨て浴室へと入っていった。

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