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第1318話
「たあいま」
「ただいまー」
「2人とも、おかえりなさい」
「みっちゃも」
綾登は蜜柑を貰ってニコニコしたまま帰ってきた。
機嫌が良い事に越したことはない。
今日はこれから続けて授業の日。
その調子で静かに出来たら良いのだが、そちらは元気の塊には難しい。
防寒具を外してもらうと、兄と一緒に手洗いうがいへと駆けていった。
その途中立ち止まると、背伸びをして丁寧に蜜柑を食卓に置く。
そして、律儀に待っててねと言った。
「じゃーじゃー」
「ちょっと待って。
綾登も腕捲らないと」
小さな防寒具をハンガーに引っ掛けながら、息子2人の姿を見守る。
綾登ももう20年もしたら隣の遥登のように大きくなるのだろうか。
楽しみばかりのこれからだ。
「あわあわ」
「おー、上手に洗えてる。
俺もしっかり洗おー」
「おー!」
ぷくぷくの頬を触れしそうに膨らませている息子達の所へ、自身も手を洗いにいけば小さな手が差し出された。
「みっちゃ!
みて!」
「上手に洗えてるね。
ピカピカしてる」
「へへぇっ」
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