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第1322話
なんだか今日はとても眠い。
夕方から眠いなと思っていたが、三条の顔を見たら身体中の不要な力が抜け、筋肉の緊張も溶けた。
追い討ちをかけるように睡魔まで襲いはじめこれだ。
それだけ、自分の中で恋人という存在は大きい。
抗うことすら出来ない。
カサッと紙の捲れる音がして、書物の背が硬い机に当たる音がする。
本当に、レポートを纏めるのだろう。
真面目な子だ。
鼻までブランケットにくるまると、それから微かに恋人のにおいがする気がする。
清潔なにおい。
ボディソープや洗濯洗剤のような綺麗なにおいの似合う子だ。
そんなにおいが布の奥に残っている。
ま、洗濯しているので気のせいなのだろうがな。
それでも、今はそれで充分だ。
眠くてぼんやりする視界に小さな画面の越しの三条を確認し、また目を閉じた。
すぐに身体が睡魔に沈み、夢の中。
起きても恋人はそこにいる。
だから、安心する。
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