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第1351話

身体の上でローターを滑らせる。 細かい振動が擽ったい。 だけど、擽ったいはずのそれは敏感な箇所に触れると気持ち良くなるから不思議だ。 「……ぅ、……んん…」 『気持ち良さそうな声。 あ、おい、唇噛むな。 噛むなら俺の服にしろ』 「……ハァ………ぁ、…」 そんなの服を傷付けてしまうから駄目だと頭を緩く振る。 『遥登で汚してくれって』 そんな言い方は狡い。 ロータを動かす手は止めないまま、もう片方の手を恐るおそる口元へと宛がった。 噛みはしない。 だが、唾液は付くかもしれない。 それは不安要素になってしまうが、今はそれをきにするだけの余裕はなかった。 『そう。 良い子だ』 先程の絶対者の声とは違い、優しさを含んだ声。 安堵と言えば大袈裟だが声を殺す為に力んでいた不要な力を少しだけ抜いた。 ふわふわかおっていた恋人のにおいがとても濃くなり抱き締められている時のようだ。 背後から抱き締められながら、ローターでスイッチを入れられていく。 臍の周りをなぞっていたそれがどんどん上がっていき乳首に到達した。 だけど、乳輪をなぞるだけ。 もどかしくて腰が揺れる。 腰が揺れたって乳首には触れないのに、揺れてしまう。 目の前の長岡がいやらしい笑みを浮かべ見ているのが目に映る。 恋人はどんな時でも格好良い。 だけど、こんな色気を駄々漏れさせた顔を見られるのは自分だけ。 『見てぇなぁ』 「…は…、……い……」 シャツを大きく捲り上げまっ平らな胸を晒せば、お利口だとばかりの笑みが返ってくる。 すごく格好良くて、その顔が見られるのが嬉しい。 顎の下に布を挟んで一瞥すればその顔は更に艶やかになった。 『ほんと良い子だな。 乳首、感じるようになってきた?』 「…………ん、」 『また乳首クリップして散歩しような』 「……は…い……」 想像だけで陰茎が腹を打った。

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