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第1358話

少し抜いては、少し入れてを繰り返す。 先走りの滑りを借りたお陰か、先程よりは痛くないが異物感が残る。 『は、……』 だけど、自分のはしたない自慰をおかずに自慰をする恋人は色気をどんどん溢れさせている。 それが嬉しくて手が止まらない。 端から見たら自室でアナニーをしているようにしかみえないが、恋人との抜き合いだ。 気持ち良くて興奮する。 各々自身を弄っているのにセックスをしているみたいだ。 なんて言葉にしたら正しく伝わるか分からないが、そう思う。 「……ぅ、…ん」 『きもちよさそーな顔。 はぁ…、えっろ』 「それ、は…まさむねさんも、」 長岡が自慰をする姿が収められたアダルトビデオがあった欲しい。 こんなえっちい顔で色気を振り撒いて、時々漏れる声もいやらしくて興奮する。 こんなの見せられたら、これでしか抜けなくなる。 どんなに魅力的な女の人の裸より、長岡に似たモデルのゲイビより、本物の恋人のオナニー映像が欲しい。 手は止めずとろんとした目で見詰めていると、長岡がニィっと笑った。 あ、かっこい…… 『はる、手ぇ止めろ』 「…っ、………は、い」 サディスト。 加虐嗜好。 それが、長岡だ。 『スクショタイム。 動くなよ』 イヤホンから少し遅れてシャッター音が聴こえてくる。 動いたらいけないのに、動きたい。 ローターが丁度会陰を刺激してきて腰が動きそうだ。 ギリギリの理性で自身の動きを抑制するが、時々聴こえてくる荒い息遣いに行為の最中の甘さを思い出してしまう。 あの綺麗な顔を雄くさくさせ、肉食動物みたいな目で見詰めてくる。 そして、噛み付くようなキス。 何度もそうして、唾液を飲み込む。 それに満足したら愛撫。 節だち荒れた指先が身体中を気持ち良くしてくれて、そして……。 『やぁらしい顔してんぞ。 なに想像したか言えよ』 「ま、…まさっ……ぁ……さん…との、せ……くす」 『俺とのセックス? ははっ、変態』 「……ん…」 『マゾ。 言われて感じてんなよ』 やばい、イきそうだ。 言葉と表情に、絶頂が目の前までやってきた。 スクリーンショットをされて言葉でイかされるなんて変態だ。 なのに、なのに……

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