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第1366話
自身の陰茎に手を伸ばし数度扱した。
ニャ…と先程のカウパーが手を汚す。
だけど、それはすぐに停止させられた。
『遥登、まだチョコあるか』
「ちょ、こ…?」
『そう。
バレンタインにやったやつ』
貰ったチョコレートは部屋にある。
あ、そういえば……
『1つ、口に入れてくれるか』
汚れた手でそれに触れるのは憚られる。
シーツの上に敷いたタオルで手を擦ってから、チョコレートへと手を伸ばした。
口にすると、途端に口内の温度でチョコレートはとろりと溶けていく。
自慰で体温が上がったから尚更だ。
甘くて少し酸っぱくて果実感のあるそれ。
中断されたオナニーを再開しようとした三条を襲ったのは甘美な味だった。
「…っ!?」
長岡がなぜチョコレートを口に入れるように言ったのか理解出来きた。
身体も脳も理解した。
本当にこうなるなんて思わなかった。
中から溢れる甘酸っぱくてフルーティーな梅酒。
長岡と口移しで食べた記憶が一気に甦ってくる。
ゾクゾクするほど気持ちが良くてこわい。
「……ぁ、…んんっ」
『頭良いのも困りもんだな。
な、遥登』
口内を好き勝手嬲る舌の動きも、舌を噛まれる甘さも、具に頭が記憶の引き出しから引っ張り出して目の前に広げていく。
腰が痺れる様だ。
頭が甘く溶けていく。
ぶるっと震えたと同時に手の中にあたたかい“なにか”が拡がった。
「ぁ……」
『あーあ、もうイったのか。
教えてくれれば良いだろう』
こんなに早くイってしまうなんて。
ほんの僅かなアルコールで酔った訳でもない。
なのに、酔っている。
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