下半身は無視をして恋人の姿を目にも焼き付ける。 画像にも残したが、自慰のおかずにさせて貰う。 これは濃いのが出そうだ。 『き……もち、』 アナルに入ったままの指が、ずるりと吐き出された。 腕の力も脱力したのだろう。 それほど体力を消耗した自慰。 大丈夫かと声を掛けた。 大丈夫ではないと言われたどうしようもないのだが、そう声を掛けてしまう。 「大丈夫か」 『あ、…い……』 どこか、ぽやっとしたまま返事をする恋人の声は既に呂律が回ってない。 「ゆっくり息吐け。 そうだ。 ゆっくり……上手だな」 『はっ、………ぁ……はぁ………』 声掛けに従い、呼吸を整える姿はその細さも合間って弱々しい。 だけど、次第に頭に多くの酸素が届きはじめ呼吸が深く大きくなっていった。 先程までのサディズムを殺し、気遣う姿は同一人物とは思えないほど甲斐甲斐しい。 どちらが本当の自分なのか。 そんなのどちらもだ。 酷くしたい性癖と、優しくて愛したい気持ち。 そのどちらもが長岡の中に共存している。 ただ、それだけだ。 のそりと首を起こした恋人は、まだ熱の抜けきっていない顔でこちらを向いた。 『まさ、さ……』 「どうした。 どっか痛いか？」 『ん、ん……きもち…かった、ですか』 この子は、本当に…… 「あぁ。 すっげぇやらしくて、すっげぇ気持ちかった。 遥登は？」 『……きもち…かった、です』 「そりゃ、良かった。 もう少し落ち着くまで、ゆっくりしような」 自身の下半身はやっぱり無視だ。