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第1376話

掻いても掻いても積もる雪。 秋は葉っぱで、冬は雪、春は桜の花弁と道路はいつも賑やかだ。 結局、長岡のシャツはそのまま収納袋で封をし保管している。 週末までの2、3日ならと思ったが、どうにも洗濯をしなければと思ってしまい気になってしまう。 乾いた精液程、洗濯がめんどくさいと思うものはない。 そのまま洗濯機任せではカスになってしまい、手洗いでも中々しぶとい。 しかも、においがやばそうだ。 それを嬉々として受け取るであろう恋人の顔を思い浮かべると複雑でしかない。 「はうっ、おあつ!」 「ん、ありがとう。 今行くな」 真っ白い息を吐きながら今しがた掻いた道を歩く。 完全防寒に加えマスクまでしていると、流石に暑い。 その温度差は吐く息の色より上気した肌を見た方が明確だ。 開けっぱなしの掃き出し窓から行儀悪く入室すると、部屋の中は甘い焼き芋のにおいで充ちていた。 そそくさと手洗いをしに炊事場へと顔を出すと、丁度お茶の支度をしていた母親がいる。 「雪掻き、ありがとう。 寒かったでしょ」 「平気だよ。 寧ろ、雪掻きして暑くなった」 「はう、あちゅい?」 「少しだけな。 マフラー持っててくれるか?」 「あいっ」 わざと頭にのせてやれば、へへぇっと笑う弟。 三条もすっかりおやつモードになっていく。 「もー」 「先に炬燵んとこ行っちゃお」 「あっ! まって」

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